取り組みの背景は?
強度が弱い工場の屋根や曲面状のドーム型の屋根などには、軽くてしかも自由に曲がるフィルム型の太陽電池が適しています。アモルファスシリコン太陽電池は、従来ガラス基板が用いられてきましたが、それをフィルム基板とすることで軽くて自由に曲げられる太陽電池ができます。しかし、大量生産となると技術的課題も多く難しかったのですが、さまざまな技術開発により量産化に成功しました。

どんな研究?
量産化のため、ロール・ツー・ロール製法(ロールで送り出し、ロールで巻き取る)にすることを目標としました。ロール・ツー・ロール製法を開発するにあたって、品質の確保や生産能率の向上など課題は多くありましたが、要素となる技術を一つ一つ解決しながら量産化を達成することができました。そして、出来るだけ広い面積がとれるよう幅を広くして、キロメートル単位の長さの太陽電池を連続して生産できる技術を確立しました。
モジュールの構造
モジュールの構造は次のようになっています。従来のガラス基板の製造方法と比べると、フィルム基板の方が自由に設計ができます。そして光電変換を高効率に行うため、セル構造は半導体2層構造を採用しました。


量産化の取り組み
フィルム型アモルファス太陽電池の製造工程において、光を電気に変換する半導体層の成膜ラインが最も重要な工程です。成膜ラインは、品質向上のため縦型のラインを開発しました。そして、フィルムは高温に弱いため低温成膜技術を開発するとともに、フィルム上への半導体各層の成膜を効率的に行うため、フィルムの送りは連続式ではなくステッピング・ロール方式(フィルムをコマ送り的に流す)を採用しました。また、成膜スピードの制御をおこない生産能力の向上をはかりました。


NOTES
- CVD法
- プラズマを利用した化学蒸着法。半導体などの薄膜が基板の上に均一に成膜できる。成膜温度は通常300℃前後。

今後の展開は?
この開発の成果にもとづき、2004年10月頃より事業化が開始されました。
フィルム型アモルファスシリコン太陽電池は、軽量・大面積・意匠性にすぐれ、太陽光発電の普及に大きく貢献すると期待されています。特に、従来の太陽電池では設置が難しかった、強度の弱い工場の屋根や曲面のある建物の屋根にも設置ができ、幅広い用途の拡大が見込まれます。


