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よくわかる!技術解説 新エネルギー・省エネルギー技術分野

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愛・地球博出展!新エネルギープラント 目次をスキップ

1 取り組みの背景は?

地球温暖化が世界的な問題となっている今日、わが国でも二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減することが急務となっています。このため、化石燃料への依存度を減らし、国内に賦存する自然エネルギーや未利用エネルギー等を活用する「新エネルギー」の導入促進が、最重要課題となっています。
「新エネルギー」は分散型エネルギーシステムとして期待されていますが、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーは自然条件に左右されることから発電量が不安定で、既存の電力系統に影響を与えるという問題を抱えています。こうした課題を解決し、分散型エネルギーシステムの本格的な導入への足掛かりとするため、NEDO技術開発機構では「新エネルギー等地域集中実証研究」を推進しています。この研究の一環として、「愛・地球博」(愛知万博)の会場内に「新エネルギープラント」を構築しました。

新エネルギープラントの外観

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2 どんな研究?

「自然の叡智」と「循環型社会」をテーマに掲げた「愛・地球博」は、平成17年3月から約半年間開催され、この万博会場で「分散型エネルギー供給システム」の構築のための「新エネルギー等地域集中実証研究」を実施しました。
NEDO技術開発機構では、小中学生から一般の方々を対象に、開催期間中この新エネルギープラントの見学ツアー「未来のエネルギー探求ツアー」を実施し、日常ではなかなか見ることができない最先端の日本の新エネルギー技術を紹介しました。

新エネルギープラントの配置図

新エネルギープラントの構成システム

「新エネルギープラント」は、変動電源である太陽光発電やその他の新エネルギー等を組み合わせ、これらを制御するシステムを構築することで、「愛・地球博」会場内で安定した電力・熱供給を行うものです。会場建設時に発生した廃伐採木や開催中に発生した会場内レストランの生ごみは、燃料電池の燃料用原料として利用しました。さらに太陽光などをエネルギーとして発電し、この電力を会場内の長久手日本館やNEDOパピリオンに供給しました。

「マイクログリッド」は、新エネルギーなどの分散型電源や需要設備で構成される集合体を意味し、新しい電力システムとして注目を集めています。博覧会会場では、燃料電池、太陽光発電設備、電力貯蔵設備などの最先端の設備構成によりマイクログリッドを構築し、これらのシステム全体を、「エネルギー制御システム」により制御・運用しました。まさに地球循環型の環境にやさしい、未来の分散型エネルギープラントといえます。

新エネルギーシステム

【メタン発酵システム】 生ごみをバイオガスに変換し燃料電池に活用!

生ごみは、メタン発酵菌という微生物の働きによって、天然ガスの成分でもあるメタンガスと、消化液になります。メタンガスは、燃料電池が発電する時の燃料となり、消化液は肥料として使用できます。

メタン発酵システム

【高温ガス化システム】 伐採木・廃プラスチックから生まれるクリーンエネルギー!

不要となった木材、ペットボトルを細かく砕き、高温ガス化炉において1200℃の熱を加えると、水素と一酸化炭素が作られます。これらは燃料電池の燃料として使えるうえ、高温処理のためダイオキシンなどの有害物質は発生しません。

高温ガス化の原理

【燃料電池】 高い発電効率と環境性!

水(H2O)は、電気の力で水素(H2)と酸素(O2)に分解できます。これを水の電気分解といいます。これとは逆の原理で、水素と酸素を反応させると水ができ、この時電気も作られます。

実際には、燃料となる水素は都市ガス等を改質して作られ、酸素は空気から直接供給されます。水素は燃料極に供給され、水素イオンとなって電解質を通り、空気極に供給された酸素と反応し、水を生成します。この反応過程で発電が行われます。

本プラントには、「溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)」、「りん酸形燃料電池(PAFC)」、「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」の3タイプを設置しています。

溶融炭酸塩形(MCFC)、りん酸形(PAFC)、固体酸化物形(SOFC)の写真

【太陽電池】 自然の恵みを生かす!

本プラントには、発電効率の良好な多結晶シリコン型、加工が簡単なアモルファスシリコン型、両面で受光する単結晶シリコン型を設置しています。

多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、単結晶シリコン型(両面受光)の写真

【NaS電池】 電気を蓄え電力バランスを調整!

NaS電池は、液体ナトリウム、液体硫黄、特殊セラミックからなる蓄電池です。本プラントでは、夜間に蓄えた電気を、電気の使用量が多い昼間に供給することで、最も電気が使われる時間帯に不足の電気を補うことができます。また、短時間単位で電気を貯めたり供給したりすることにより、マイクログリッド内の発電設備と電力需要のバランス調整にも対応しています。

NaS電池の構造

エネルギー制御システム

万博会場の長久手日本館やNEDOパビリオンなど、会場内の一部エリアで、複数の新エネルギーと電力貯蔵システムを連係し、電力使用量にあわせて安定した電力を供給する「エネルギー制御システム」いわゆる「マイクログリッド」を構築しました。
エネルギー制御システムには、新エネルギー発電設備への発電指令値の計算や、発電電力の実績などの情報を処理・保存するためのセンタ装置があります。さらに、各新エネルギー発電設備とセンタ装置との情報伝達を行うリモートユニット装置で構成されます。センタ装置は、構内LANを通じてリモートユニット装置との通信を行います。

エネルギー制御システム

「エネルギー制御システム」では、以下の3ステップで制御を行います。

エネルギー制御システムの機能概要
ステップ1:最適発電計画 気象予報から太陽光発電の発電量、需要設備の電力需要や熱需要を予測し、発電計画を計算する。この時、「二酸化炭素排出量低減」や「電力・熱の総合エネルギー効率の向上」などの優先条件も配慮した計画策定が可能である。
ステップ2:同時同量制御 発電電力と需用電力の30分間の需給電力量誤差を±3%以内に収める「30分同時同量制御」を実施する。
ステップ3:商用電力変動抑制制御 電力需給が予測値と一致しない場合、この差分の変動電力をNaS電池や燃料電池で補うことにより、商用電力系統の受電電力の変動を極力抑制する。

この結果、従来の分散型電源の導入形態に比べ、今回の新エネルギープラントは、電力会社から供給される需給電力差分について、その供給変動を小さく抑えることが可能となります。

今回の新エネルギープラント

従来の分散型電源の導入形態

動画を見る

マイクログリッドは現状では実証研究段階ですが、地球環境に優しい環境負荷低減・循環型社会を目指し、今後のモデルケースとして新エネルギーの導入・普及に貢献することが期待されます。

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3 今後の展開は?

愛・地球博における半年間の実証研究後も、研究の継承を予定しています。
愛・地球博の実証研究プラントは、中部国際空港近接部の中部臨空都市(愛知県常滑市)に移設し、引き続き実証研究を実施する計画です。(平成18〜19年度)

愛知県常滑市(中部臨空都市)における実証研究計画

また、青森県八戸市と京都府京丹後市においても、同様の地域集中実証研究が進められています。
これらの実証研究を推進することにより、将来新エネルギーや分散型電源の普及等、新エネルギーを活用した循環型社会の形成を実現するうえで欠くことのできない実証成果が期待されています。

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マイクログリッドって何だろう