フェムト秒とは
フェムト秒とは時間の単位で、1000兆分の1秒を表わします。光は1秒間に地球を7周半しますが、その光が1フェムト秒間に進む距離はわずか0.3ミクロン。これはウイルス、CDのピット幅、トランジスタのゲート長のスケールです。

フェムト秒光パルスとは
フェムト秒のような極端に短い時間間隔で点滅する光を、フェムト秒光パルスといいます。
フェムト秒光パルスの特徴としては、次の点があげられます。
- 光通信において大量の情報が送れる
- 極めて薄い光の板を作ることができる
- 非常に高いピーク出力の光が得られる
- 光の波長が拡がる
フェムト秒テクノロジーとは、このフェムト秒光パルスを利用した各種技術の総称なのです。



フェムト秒の光ストップウオッチ
フェムト秒パルスレーザーを使い観測をすると、超高速で変化する原子や分子の運動もをとらえることができます。
フェムト秒光パルスの強い光を原子や分子に照射すると、原子や分子にある変化(振動)が起こります。その変化は、やがておさまりますが、それでも極短時間(一兆分の十秒程度)の間のできごとです。その変化は別の光(フェムト秒光パルス)で観測します。つまり、強い光をあて変化を起こさせ、別の光でその動きを観測するわけです。そして、強い光をあて変化を起動させてから、その経過時間を徐々にかえて観測することにより、連続した動きがとらえられるのです(短時間に何回もフラッシュをたく連続ストロボ撮影と原理は似ていますが、毎回変化を起動させるという点が異なります)。
どんな産業に応用できるの
フェムト秒光パルスの特徴を利用し、超精密微細加工、高速光通信、超微細計測、バイオ・医療などの分野で応用が期待されています。
1) 加工
極めて高いピーク出力の光が超短時間に集中して得られるというフェムト秒光パルスの性質を利用したレーザー(フェムト秒パルスレーザー)を使えば、超高精度で効率的な加工ができます。
フェムト秒パルスレーザーを利用すると、ガラスやダイヤモンドなど通常の光が通り抜けてしまう透明材料の内部に3次元加工を施すことも可能です。

2) 通信
通信は信号でやりとりされています。そして、大量の情報を速く、遠くに伝えるためには、電気信号を光信号に変換して送ります。しかし、電気信号より圧倒的に信号速度の速い光を電気で制御することはできません。そこで、光を光で制御します。フェムト秒光パルスを発生し、たくさんの信号を束ね、送り、分離する技術の開発によって、超高速通信(テラビット通信)システムが実現します。

3) 計測
フェムト秒光パルスと電子ビームの衝突によって発生させた高輝度X線パルスを使えば、超高速で動く物体などをリアルタイムで計測・観察できます。

4) バイオ、医療など

フェムト秒パルスレーザーは、熱の影響が少なく周囲の組織を傷つけないシャープな医療用メスとして、また細胞操作やDNA観察の手段としても期待されています。
世界の動きは
超高速通信を中心としたフェムト秒テクノロジーは、日本発といわれており、日本が諸外国をリードしています。しかし、欧州を中心として複数のプロジェクトが、2000年前後からスタートしており米国を含めて諸外国が追い上げてきています。

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