マイクロマシンとは
機械を微小化すると、省スペースは当然ながら、さらに資源や消費エネルギーも節約できるなど、多くのメリットがあります。こうした微小化された機能要素,および機能要素から構成される微小なシステムのことをマイクロマシンと呼びます。
江戸時代のからくりにみられる小型精密技術は、近代以降の産業技術社会でもわが国の大きな特徴で、世界でも機械を小型化する技術については、独自の地位を築いてきました。ただし機械工学と電子工学を統合したメカトロニクスの世界では、電子装置は超微小化が進んだのに対して、機械の方は微小化までは方向になかったという問題がありました。そこで90年代に入って、機械のマイクロ化が体系的に追求されるようになったのです。

NOTES
マイクロマシンの大きさは、「マイクロ」と呼ばれていますが、ミリメートルからナノメートルレベルのものまで含まれます。
米国ではMEMS (Micro Electro Mechanical Systems) と呼ばれる微小電気機械システムの研究が盛んです。MEMSは、半導体上のモータに代表されるように、半導体の内部に可動する機械部分を含めたシステムのことで、電子工学よりの技術概念が中心になっています。
日本ではマイクロマシンという用語は一般的となってきていますが、言葉の印象からも、単に機械を微小化したもの、およびその技術としか認識されていない傾向にあります。一般的なマイクロマシンのイメージである小さな機械は、マイクロメカトロニクスといえるでしょう。しかしながら、「マイクロマシン」という用語には、MEMSの概念も包括されています。

マイクロメカトロニクスの構造
マシンといわれるからには、単に小さな部品というだけでは成立しません。アクチュエータと呼ばれる機械を動かす仕組み、いわゆる駆動系はもちろん、エネルギーを供給する部分、実際に仕事をする機能部分などを備えている必要があります。
またマイクロメカトロニクスとして、クリアするべき問題も多々あります。とくに微小化されたマシンでは、通常では無視できる摩擦・粘性の問題や、装置内での発熱処理などが大きな課題となり、さらに解明すべき現象もあります。

MEMSと従来LSIの違い
従来のLSI は、固定された基板の電気信号のみを処理するのに対して、MEMSでは、上下左右などに可動する機械的特性も信号として処理します。そのためLSIの機能に加え、機械的な耐久性・強度なども要求されます。
製造面では、LSI 工場が極限までの微小化に対応した最新設備を求められるのに対して、MEMSでは極限までの微細化は必要がなく1世代前のLSI を利用すれば充分なので、既存の量産設備に独自技術を付加するだけで、コストの低い製品を提供できます。
MEMSの利用
現在の社会では、半導体がいたるところに利用されています。MEMSも同様に、将来的にはあらゆる製品の中に存在することになるでしょう。しかし、MEMSは新しい技術ということもあり、現段階では、プリンタヘッドや自動車用センサ以外、あまり普及していません。近い将来、実現が期待される技術としては、RF-MEMS、光MEMS、サンセMEMS、µTASがあります。

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