メニューをスキップ
よくわかる!技術解説 ナノテクノロジー・材料技術分野

HOME > よくわかる!技術解説 > ナノテクノロジー・材料技術分野 > 表示中のページ

このページをプリント 

世界一長〜いカーボンチューブを作る(スーパーグロース技術) 目次をスキップ

1 取り組みの背景は?

カーボンナノチューブカーボンナノチューブは、炭素でできた筒状の材料で、細くて強く、電気や熱をよく通し、半導体としても使える、またガスをよく吸着するなど多くの特徴をもっています。そして、炭素が材料であるため環境にやさしく、安価に量産・加工できるようになれば、21世紀におけるナノテクノロジーの中核材料となるでしょう。しかし、カーボンナノチューブを安くて、品質よく、大量に生産する方法は、まだ見つかっておりません。そこで現在、単層カーボンナノチューブとナノホーンを中心として、構造を制御しながら量産する方法を研究開発しています。

ページの先頭へ 

2 どんな研究?

従来、量産に向くといわれている化学的気相成長法(CVD法)で単層カーボンナノチューブを作ると、長さはせいぜい4〜5ミクロン程度で決して合成効率がいいとはいえず、その品質も触媒金属粒子がカーボンナノチューブに混じるなど、後の除去作業(精製)が必要でした。また、思うような形(構造体)に作ることは、全くできませんでした。このたびそれらを一挙に克服する新技術が開発されました。その画期的な技術とは、気相成長において触媒を活性化させるために水をちょっと加えたということです。そのことにより、従来と比べ500倍の長さで密集したカーボンナノチューブが得られ(超高効率・量産性)、不純物をほとんど含まず(2000倍の超高純度)、さらに思い通りの方向にカーボンナノチューブをのばし、さまざまな構造体を作る(超配向性)ことができました。この技術は、「スーパーグロース技術」とよばれています。

カーボンナノチューブの作り方

CVD法では、700℃以上に加熱したガス状の炭素を金属触媒を含んだ基板の上に吹き付けカーボンナノチューブを成長させる。そのガスの中に微量の「水分」を加えることにより、触媒が活性化してカーボンナノチューブが大きく成長することを発見した。さらには、水分が不純物を燃やす働きをし、結果的に短時間に効率よく高純度のカーボンナノチューブを作ることに成功した。

特徴

◆ 超高効率・量産性

従来に比べ500倍の長さで、しかも高密度のカーボンナノチューブを作ることができました(世界記録)。量産性は従来の3000倍です。これを基板からはがせば、多量の単層カーボンナノチューブを得ることができます。

高密度配列単層ナノチューブの写真

◆ 超高純度

従来に比べ2000倍以上の高純度(不純物が少ない)カーボンナノチューブが得られました。

従来法と本方法の比較写真

◆ 超配向性

カーボンナノチューブは触媒の上に成長しますが、基板上の触媒の模様をいろいろ変えてやると、その模様にそってカーボンナノチューブが成長していきます。つまり、カーボンナノチューブの花びらを作ることも可能なのです(世界初の技術)。例えばこれをICの放熱板などに利用すると、より大きな放熱効果が得られます。

単層ナノチューブで出来た花の顕微鏡写真と、円柱状、板状に配列したナノチューブの顕微鏡写真

ページの先頭へ 

3 今後の展開は?

今後、さらにスーパーグロース技術の開発を進め、高品質の単層カーボンナノチューブを安定的に大量に供給できるようめざしていくと同時に、応用製品の開発にもつとめていきます。

スーパーグロースナノチューブの応用例
カーボンナノチューブの応用範囲

ページの先頭へ 

このテーマの技術解説:
カーボンナノチューブって知ってる?

このテーマの事業紹介:
プロジェクトコード P02073