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よくわかる!技術解説 ナノテクノロジー・材料技術分野

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アモルファス金属/金属ガラスって知ってる? メニューをスキップ

1 アモルファスとは

皆さんは、水(液体)を0℃以下に冷やすと氷(固体)になり、沸騰させると水蒸気(気体)になることはご存じだと思います。この固体⇔液体⇔気体の変化は、身近にあるガラスやプラスチック、金属などでもみられます。物質は原子で構成されていますが、その原子は温度が低いと規則正しく並びたがり、温度が高いと自由に動きたがります。そして、このような原子の動きや配列などで、物質の形や性質がきまります。

アモルファスとは、結晶構造を持たない物質の状態をしめす言葉です。固体では、原子が規則正しく並んだ結晶と呼ばれるものと、原子がバラバラに配列したアモルファス(非晶質)と呼ばれるものの2種類があります。一般に、氷や金属、水晶などの鉱物などは結晶構造で、ガラスなどはアモルファス構造です。

物質の三態
結晶とアモルファスの原子の並び(模式図)

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2 アモルファス金属とは

金属は、液体からかなり早く冷却しても原子が規則的に並んだ結晶となります。しかし、原子が自由に動きまわる液体の状態から、1秒間に100万℃というような超急冷をしてやると、液体の状態をそのままとじ込めたような固体となり、原子が無秩序な状態のアモルファスができます。アモルファス金属は普通の金属に比べ、強くてしなやか、非常に錆びにくい、磁気特性に優れるなどの大きな特徴があります。

アモルファス金属の特徴。1.強くてしなやか:結晶金属に比べ3〜10倍の強度があり、しかもしなやか。2.驚異的な耐食性(錆びにくい):ステンレス鋼より何万倍も耐食性に優れる。3.磁気特性に非常に優れる:アモルファスは結晶質と比べ方向性がなく、非常に磁気特性に優れる。
アモルファス金属の強度が高い理由:金属の結晶には、普通多くの欠陥(原子の乱れ)が存在しています。この欠陥が、金属の変形を容易にしています。変形が容易で加工しやすいというのは金属の特徴ですが、反面強度が弱いということになります。アモルファスは欠陥がなく、またお互いの原子が衝突しあい集団で移動がしにくいため、非常に高い強度がうまれます。

◆アモルファス金属の作り方

アモルファス金属の作り方の最も一般的な方法は、溶けた金属を超急冷して作る方法(液体急冷法)です。その他、金属を気体にして直接作る方法として、真空蒸着やスパッタリングなどがあります。しかし、いずれも大量生産には不向きで、非常に薄くて小さいものしかできないため、用途も限られていました。

液体急冷法

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3 究極の金属、金属ガラスとは

アモルファス金属は、溶けた金属を超急冷することが必要で、非常に薄くて小さいものしかできないといわれてきました。しかし、ゆっくり冷やしても結晶質にならず、アモルファスとなる金属が近年発見されました。ガラスのような特徴を持った金属ということで、金属ガラスと呼ばれていますが、ゆっくり冷やすことができるということで、厚みのある板や棒など形をもった塊状(バルク状)の製品ができます。さらに、従来のアモルファス金属では、加工や成形のため加熱をするとすぐに結晶質に戻ってしまい、アモルファスの特徴は失われてしまいますが、金属ガラスは、ガラスと同様自由に加工することができ(ガラス細工のように飴状に伸びる)、アモルファスの状態が失われません。現在、大学などで応用研究が盛んにおこなわれており、今後急速に実用化が進むものと期待されています。

動画を見る

液体から固体までの状態図

NOTES

温度[K]のKはケルビンといい、絶対零度(-273.15℃)を基準にセ氏(℃)と同じ目盛りで表した温度の単位です。1K/秒は、ほぼ1℃/秒です。


[参考]イラスト
金属ガラスになる合金は、ジルコニウム系やマグネシウム系など多くが発見されていましたが、それらに共通する原則を見いだしたのは日本の科学者です。金属ガラスになる合金の共通原則とは次の3原則です。

  1. 組成が3元素以上の多元系であること
  2. 各原子の径が12%以上異なること
  3. 各元素が化合物化しやすいこと

◆金属ガラスの作り方

ゆっくり冷やすことができるので、普通の鋳物を作る方法で表面が平滑な丸棒やパイプが作れます。また、ロールを用いて厚みのある板なども作れます。

鋳物を作る方法とロールを用いる方法。
金属ガラスの応用研究例。自動車エンジン用小型軽量バルブスプリング、コリオリ流量計の金属ガラス振動子、高感度圧力センサ、精密位置決めリニアアクチュエータ、世界最小(1.5mm)ギヤードモータ

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