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よくわかる!技術解説 ナノテクノロジー・材料技術分野

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ナノファイバーって知ってる? メニューをスキップ

1 ナノファイバーとは

私たちは細いもののたとえに「髪の毛ほど」と言いいます。健康な人の髪の毛の太さは約0.05mmほどで、たしかに非常に細いといえますが、世の中にはもっと細い糸があります。たとえばクモの糸は、太さ5〜10μm(マイクロメートル:千分の1mm)しかありません。しかし、いま人類は、さらに細い糸を人工的に作り出そうとしています。それがナノファイバーで、いま新しい材料として注目を集めています。
ナノファイバーは、いったいどれぐらい細いのか。ナノファイバーとは、その太さは1nm(ナノメートル:千分の1μm)から100nmの間で、長さが太さの100倍以上ある繊維状の物質」というものです。
では、これだけ細い繊維にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ナノファイバーが注目される最大の理由は、繊維を極限まで細くすると、従来の繊維にはなかった、まったく新しい物理学的な性質が生まれることが分かってきたことです。そこから生まれる新素材を応用することで、どんな細かい異物も通過させない高性能フィルターによる浄化装置の実現、化学繊維の強度アップや高機能衣服の実現、燃料電池の効率アップなどが期待されています。

ナノファイバーの顕微鏡写真・ナノファイバーの定義

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2 ナノファイバーの作り方

その1「電界紡糸法」

ナノファイバーの作り方には、いくつかの方法が提案されています。そのなかでフィルターなどに使われるナノファイバーを作り出す方法として期待される方法が「電界紡糸法(エレクトロスピニング法)」です。この方法は、ナノファイバーの原料である高分子の溶液に、非常に高い電圧をかけると、電界に沿ってナノサイズの繊維が飛び出していくという現象を応用したもの。繊維の太さを制御が難しいことや、一度にできる繊維の量がわずかだという欠点がありましたが、溶媒の工夫やファイバーを放出するノズルや電極の配置を工夫することで克服。現在では、大型装置の開発も行われています。

電界紡糸法の原理

高分子溶液を金属ノズルで押しだし、そこに高い電圧をかけると、ノズルの先から電界に沿った螺旋状にナノサイズの繊維が飛び出していく。繊維は、もう一方の電極であるコレクターに集められる。


開発中の大型装置

その2「ナノ溶融分散紡糸法」


もうひとつの方法は、従来の化学繊維の製造に用いられてきた溶融紡糸法を進歩させたものです。溶けた高分子をノズルから糸状に引き出し、それに「延伸」という工程で1本の繊維に紡ぎます。加工技術の進歩により、ナノサイズの直径の繊維を作ることが可能になったのです。この方法で期待されるのは、現在でも軽くて強度の高い素材として知られる炭素繊維をナノファイバー化した「炭素超極細繊維」の大量生産技術の確立です。また、この方法ではリグニン系繊維など天然由来の材料でナノファイバーを作ることも期待されています。

高分子の溶液を、直径がナノサイズのノズルから押しだし、それを延伸することで1本の細い繊維を作り出していく。

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3 特徴とメリット

繊維の太さを極限まで細くすることで生まれたナノファイバーの性質には、次のようなものがあります。

(1)空気の抵抗が非常に小さくなる

流体力学では、空気や液体の流れは物体に近づくほど遅くなり、これがフィルターなどの空気抵抗になります。しかし、ナノサイズの物質では「スリップフロー効果」という現象が生まれ、流速がほとんど遅くならないのです。このためナノファイバーでフィルターを作ると、どんなに目の細かいフィルターを作っても、空気の通りがスムーズであるというメリットが生まれます。

スリップフロー効果

(2)比表面積が大きくなる

比表面積とは、単位面積あたりの表面積のこと。ナノファイバーでは、非表面積が非常に大きくなるため、繊維表面にたくさんの異物を吸着することができるため、浄化装置の性能をアップする。また、繊維表面で起こる化学反応や電気反応の効率も高まるため、燃料電池などの効率アップにもつながると考えられます。

(3)超分子配列効果が得られる

十分に細い繊維のなかでは分子が整って配列するために,従来の繊維にはない物理的性質が得られます。カーボンナノチューブのように高い電導度が高い繊維や、強度や耐熱性の大幅なアップも期待されます。

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4 5年後の基盤技術になる

繊維を極限まで細くすることで得られる新しい効果。ナノファイバーの応用範囲は、「5年後の基盤技術になる」といわれるほど広いものになりそうです。例えば、エレクトロニクス分野では、燃料電池の高性能化を実現し、情報家電の小型化・省エネルギー化につながるとともに、環境・エネルギー分野では、フィルター、浄化装置の高度化に期待がかかります。さらには医療・福祉分野でも、手術室などの無菌化のほか再生医療などへの応用も期待されています。小さいけれど、社会を大きく変える技術といえるでしょう。

ナノファイバーの応用分野

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