エンジンと電気モータを組み合わせて少ない燃料で効率よく走行するハイブリッド自動車。環境に配慮した車のなかでも注目の集まる、ハイブリッド自動車のメカニズムや部品の構造、今後の展望について紹介します。
自動車と地球環境
自動車は長い間ガソリン(トラックやバスは主に軽油)で走ってきました。しかし、ガソリンエンジンはディーゼルエンジンに比べ排出ガスはクリーンですが、燃費や地球温暖化ガスの一つであるCO2(二酸化炭素)排出量の点で劣ります。なお、日本では運輸部門(ほとんどが自動車)のCO2排出量が全体の約20%を占めています。自動車の燃費は毎年改善されていますが、自動車の保有台数が増えているため、運輸部門のCO2は増加しています。
燃費が良く有害な排気ガスが少ない車は、みんなが求める夢です。近年、燃料電池自動車がその代表選手の候補にあがり多くの研究開発が行われてきています。しかし、長いあいだ改良に改良を重ねてきたガソリンエンジンに取ってかわるには、まだまだ先のことといわれています。そのため、燃費を大幅に改善できるハイブリッド自動車が大変注目を集めています。

ハイブリッド自動車とは
最近話題の「ハイブリッド自動車」とはどのような車でしょう。ご存じのように普通の自動車はエンジン(内燃機関)を動力として走りますが、ハイブリッド自動車はエンジンと電気モータを組み合わせて走ります。いいかえれば、異なる種類の動力を組み合わせて走る自動車のことで、その組み合わせはエンジンやモータ以外であってもかまいません。
ハイブリッド自動車は、排気ガスが少なく、燃費が良く、低騒音という特長をもっています。しかし、モータやバッテリなどさまざまな部品を搭載させるのでどうしてもコストが高くつき、構造も複雑になるという欠点もあります。

ハイブリッド自動車のメカニズム
1) ハイブリッド自動車の分類
エンジンとモータの役割により、シリーズ方式、パラレル方式、シリーズ・パラレル方式の3つのタイプがあります。
a. シリーズハイブリッド方式

エンジンは発電のみをおこない、車輪を回すのは電気モータです。エンジンは、直接車を動かすわけではないので、小型ですみ排気ガスは少なくなりますが、モータとバッテリは大きくなります。エネルギーを回収する点では有利ですが、出力の面でやや劣ります。
b. パラレルハイブリッド方式

エンジンと電気モータの双方が車輪を回します。エンジンが苦手な発進時、加速時など電気モータが駆動を助けます。また、エンジンの効率が悪い低速時は、エンジンの回転を高め発電機を回して充電にまわすなどエネルギーの効率を高めています。バスやトラックなどで実用化の検討が進められています。
c. シリーズ・パラレルハイブリッド方式

シリーズ方式とパラレル方式を組み合わせ、良いところをとっています。エンジンだけ、モータだけ、その両方を最適に組み合わせて走ります。エンジンの苦手な発進時、低速時は電気モータで走り、ある程度速度が上がるとエンジンだけで走行、安定時にはエンジンで発電機を回して発電しながら走ります。最も良い効率を追求していますが、それだけ複雑な制御を必要とします。乗用車、商用車およびトラックで実用化されています。
2) 部品の構成と改良および新機能



今後の展望
ハイブリッド自動車は、モータやバッテリなどさまざまな部品を搭載し、大がかりとなるため大型車から開発が進んできました。しかし、ここにきて日本の自動車メーカーは小型化、軽量化に成功し小型乗用車に適用して販売をはじめ、一挙に普及が進みました。世間では、ハイブリッド自動車は燃料電池自動車(電気自動車)のつなぎだといわれています。しかし、燃料電池自動車の普及はまだまだ先のことで、燃料としての水素スタンドの整備も長期間を要します。今後も、大型車を含めハイブリッド自動車の研究開発と商品化は進んでいくでしょう。










